中学生や小学生だった頃、当時でさえ運動の向き不向きに速筋や遅筋が関係していて
100m走が早いやつは速筋が、長距離が得意なやつは遅筋が発達している
なんてことを聞いたのを思い出した。
少し後になって「発達している」のと、もとから「筋肉の割合が決まっている」つまりは生まれながらにして向いているスポーツが決まっているようだと知った。
部活で同じ練習をしていても差が出るのを「才能のせいだ!」と思ったことはないだろうか。僕はもろに持久系のクロスカントリーをやっていて遅い方だったし走っても長距離は苦手だった。かといって短距離が得意だったわけでもなく平々凡々な才能の持ち主だと思っていた(若いうちはとかく「才能」という言葉に取り憑かれがち)。今ならどこにでもいる普通の人だと言える。もちろん早いやつは練習をもっと頑張っていたかもしれないが悔しさのいくらかは妬みも入っていたのは間違いない。
時は流れて、どうやら自分では確かめようのない才能について知ることができるようになったそうだ。
それが今回の話、スポーツ遺伝子検査。検査は他にもいろいろな検査キットがあるハーセリーズのDNA EXERCISEというもの。
amazonでも注文できるよ。
調べられることはざっくり言うと3つ
- 速筋の割合が多いか遅筋の割合が多いか
- 筋肉へ酸素や栄養を送り届ける力が優れているかどうか
- 運動のエネルギー生産性が優れているかどうか
1つ1つ詳しく見ていくと
速筋と遅筋の割合 ACTN3遺伝子とは
ACTN3遺伝子は、速筋の新陳代謝を司るタンパク質の遺伝子(α-アクチニン3)です。
α-アクチニン3は筋繊維の配列の維持やその収縮を正しくコントロールする役割を担っており、α-アクチニン3が多く存在するタイプは速筋(白筋)の働きが安定し、瞬発系の運動能力が高いと考えられます。
ふむふむ、α-アクチニン3が多いかどうかで速筋タイプか遅筋タイプかということ。
表で3タイプにまとめられているのを見ると
- R/R型
α-アクチニン3が最も多い、速筋タイプ
- R/X型
α-アクチニン3の量が標準、バランスタイプ
- X/X型
α-アクチニン3が存在しない、遅筋タイプ
X/X型に至ってはα-アクチニン3が存在しない、キミ短距離向いてないよ!なんてデータを見せられ言い切られちゃってる。
努力は正しい方向へ向けよう。
筋肉へ酸素や栄養を送り届ける力 ACE遺伝子とは
ACE(アンジオテンシン変換酵素)はアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する酵素です。血圧は体の中のいろいろな仕組みによって調節されていますが、その中でも大きな役割を持っているのがアンジオテンシンIIという物質です。ACE遺伝子の活性が低いタイプは血液供給量が多くなり、筋肉への酵素や栄養を送り届ける力が優れています。
ふむふむ、酸素や栄養を送り届ける力が優れている(血管拡張能力が高い)かどうかを3タイプに分けて
- I/I型
血管拡張能力が高く運動による疲労を感じにくい
- I/D型
血管拡張能力は普通で運動による疲労は普通
- D/D型
血管収縮能力が高く、瞬発的に力をだすことが得意
D/D型は疲れやすい、とくるかと思ったら得意分野がありました。良いか悪いかではなく特性を見極められる結果。
だから努力は正しい方向へ向けよう。
運動のエネルギー生産性 PPARGC1A遺伝子とは
PPARGC1A遺伝子は、骨格筋の中のミトコンドリア生成や、ミトコンドリアの機能を調整するPGC-1αタンパク質の遺伝子です。
PGC-αの活性が高いほど運動によりミトコンドリアが増殖します。
ふむふむ、ミトコンドリアをたくさん作れるかどうかってこと?
運動により、ミトコンドリアとともに毛細血管も増え、速筋が遅筋の方向にシフトしていきます。このメカニズムはすべてPCG-1αがコントロールしています。速度を上げて走ると、ミトコンドリアの量は飛躍的に増加します。マラソンを楽に走るには、骨格筋のミトコンドリアの量をどれだけ増やせるかがポイント!
また、運動によるミトコンドリアの増加は分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝酵素を促進することが認められ、持久的運動能力が上昇すると言われています。
ミトコンドリアを増やすと持久的運動能力が上がるようだ。
ではタイプ別にみて
- G/G型
ミトコンドリア増殖能が高い
- G/S型
ミトコンドリア増殖能が標準
- S/S型
ミトコンドリア増殖能は低い
この項目についてははっきり優劣がついちゃう結果、ポイントを見るととにかくトレーニングしましょう、ということらしい。
ここばかりは自分の才能を祝おう(or呪おう)
じゃあ僕はどうなの? 結果
おや?遅筋が少ないのはわかるとして、もしかしてもっと頑張っていたら違っていたのか?と思う結果。
力を出せて、疲れにくくて、なおかつしっかりトレーニングすれば持久系でも戦える
ほんとうに?
トレーニングのモチベーションの為にももっと早くに知っていたらよかったなー。
結果が期待と逆でもスポーツ選択をし直すきっかけにもなるし。
じゃあこの結果を踏まえて自分がしているスポーツで好意的に考えると
大事なのは自分の体をどう動かすかっていう神経系の話なのが前提としても
- スキーだと
コブやクイックターンでの瞬間的なエッジングには向いてそうだし
滑っていても疲れを感じにくいのはいい。
BCの登り苦手意識はトレーニングで克服できそう。
- ボルダリングだと
瞬発的に力を出すのはもちろん、トレーニング次第で筋持久力も上がってリードクライミングもOK
- MTBだと
速筋寄りだけど疲れにくさから登りも行けそう。
まとめ
筋トレしたら筋肉が大きくなるし、筋持久トレーニングしたら効果はでるし、インターバルトレーニングしたらミトコンドリア量増えて運動はだんだん楽になるし
やればやっただけ結果が伴う!
ん?過去の自分はサボってただけなのがわかってしまったようだ。